じゃがいも
じゃがいもは根ではなく、地下茎という茎にでんぷんがたまって肥大したものです。同じいも類でもさつまいもは根に該当します。
じゃがいものビタミンCは、主成分であるデンプンに守られるので加熱による損失が少なく、効率よく摂取できるという利点があります。
新じゃが
皮が薄く、水分が多くみずみずしいです。
じゃがバターやポテトフライなど、皮ごと食べる調理がおすすめです。
秋じゃが
秋に植えて、寒い冬に収穫される秋じゃがは、貯蔵性が高く、貯蔵することで甘みが増します。
出荷時期
8~10月、5~6月(新じゃが)、11~12月 (秋じゃが)
食べ方
芽や緑色に変色した皮には「ソラニン」(多量摂取で中毒症状)が含まれているので、調理時に取り除いてください。切口は変色するため、切った後はすぐに水にさらします。
粉質タイプ
でんぷんが多いのが特徴で、加熱することでほくほくした食感が楽しめます。煮崩れしやすいので、煮物よりもポテトサラダやコロッケなどに向いてます。
粘質タイプ
でんぷん価が低く、滑らかな舌触り。煮崩れしにくいのでカレーやシチュー、おでんなど長時間煮込む料理に向いています。
保存方法
新聞紙に包んで風通しの良い、暖房のついていない冷暗所で保存します。5℃以下だと食味が落ちてしまいます。日光に当てると有毒物質「ソラニン」が発生する可能性があります。冷凍すると、解凍時スカスカになってしまうため、どうしても冷凍したい場合は茹でてマッシュ状にし、ラップで平たく包みます。
美味しい見分け方
皮はなるべく薄めで、重みのあるもの。大きすぎるものは中が空洞になっている可能性があります。芽が出ていたり、皮が緑色のものは避けてください。
かんたんレシピ【じゃがいも】
粉質タイプ・・・ホクホク。煮崩れしやすい
男爵
生鮮向け品種としては最も多く作られています。
丸く、こぶしのようなごつごつとした形。
果肉は白っぽく、粉質で、加熱するとほくほくとした食感になります。
煮崩れしやすいので、煮込みには不向き。じゃがバター、ポテトサラダに。
きたあかり
ほくほくの粉質で、香りが良く、ジャガバターは最高です。煮くずれしやすいので、 煮る場合は火加減に気を付けてください。ビタミンCの含有率は圧倒的でとてもヘルシーなジャガイモです。
中はメークインよりも黄色が濃くなります。
保存が長ければ長くなるほど粉質度が落ちてきますので、旨みが低下します。煮くずれは男爵薯よりしやすいです。匂いはサツマイモに似ていて滑らかな舌触りです。
アンデスレッド
男爵に近い、こぶし上の形をしています。
皮は薄く、赤色。果肉は鮮黄色で、加熱するとホクホクとした食感になります。煮崩れしやすいので、ポテトサラダやコロッケに。
※果肉に紅がさすことがありますが、この色はアントシアニンによるものです。
休眠期間が短く、すぐに芽が出てしまうため、長期保存には不向き。
べにあかり
皮は赤色、肉色は白色。
デンプン価が高く、水分が少ないので、生のまますりおろして、鉄板で焼くと・・・もっちもち!
業務用では主にコロッケに利用されています。
コロッケ、マッシュポテト、ガレットに。
粘質タイプ・・・なめらか。煮崩れしにくい
メークイン
男爵と並び日本の代表的な品種で、生鮮向け品種としては2番目に多く作られています。
果肉は男爵よりも少し黄色っぽい白色で、表面の皮はつるっとしていて皮がむきやすいです。滑らかで、ほんのりと甘味があります。煮崩れしにくく、おでんに最適。
※メークインは他の品種に比べソラニンなどを多く含む傾向にあります。表皮は日光に当たると緑化しやすいのです。
とうや
球形で、比較的大きなものができやすいです。
果肉は黄色で、でんぷん価が少ないので、ホクホクというよりはなめらかな舌触りです。切った後の変色はほとんどありません。
煮崩れしにくいので、煮込みや炒め物に。
インカのめざめ
重さが50g前後と小ぶり。
果肉は濃い黄色。粘質できめ細かく、ねっとりとして、さつまいものような甘さがあります。
皮をむいた後の変色はほとんどありません。
煮崩れしにくいのでシチューやカレー、肉じゃがなどの煮物に向き。
レッドムーン(レッドムーム)
皮が赤く、粘質・メークインのような楕円形で、外見が似ていることから、「紅メークイン」ともよばれています。
大規模栽培には不向きで、あまり出回りません。
果肉は黄色く、煮崩れ・切った後の変色はしにくいです。ポタージュにすると、舌触りなめらかで美味しいです。
さつまいものような甘みが感じられます。
ノーザンルビー
皮・果肉ともにきれいなピンク色。皮はさつまいものような色をしています。
形はメークインに似ています。
アントシアニンを多く含み、調理後も色が落ちません。
煮崩れしにくく、表面はつるっとしていて皮がむきやすいです。煮物向きですが、揚げ物にも向いています。
シャドークイーン
皮・果肉ともに紫色です。熱を加えると、くすんだ青色になってしまいます。 じゃがいもの中でアントシアニンが一番多く含まれている品種です。
シェリー
長楕円形で、皮の表面がつるっとしています。
皮は赤色で、薄いのでむきやすい。果肉は淡黄色です。
原産国のフランスでは赤皮ジャガイモでは最もポピュラーな中早生品種。煮込み料理に適しています。
小玉が多く取れる傾向にあります。
ホクホク、煮崩れしにくい
デストロイヤー(グラウンド・ペチカ)
「レッドムーン」が突然変異して発見・育成された品種。俵に近い形です。
皮は赤地に赤褐色の斑が入っており、見た目のインパクト大。甘味が強く、さつまいも+栗+じゃがいものような食感と味です。
加熱するとホクホクとした食感になり、煮崩れしにくいという珍しい特性を持っています。火が通りやすく、味がしみこみやすいので煮込み向き。
皮の色を生かすため、皮つきのまま調理するのがおすすめです。